不安が一瞬で治る方法

心の科学室

精神的に辛くなった時に読みたい本

本記事は樺沢 紫苑著「ストレスフリー超大全」を参考に、「不安」について考察していく。

「入試やテスト前にいい点が取れるか不安に思う」「将来が見えずに漠然と不安を感じる」など人によって不安は様々だが、この本では読者に「不安」と上手に向き合うためのヒントをくれる。

本記事ではそんな「不安」に対する考え方を学び、ストレスフリーの本質について考察していく。

「不安」=「行動しろ」という脳からのサイン

人は不安を感じるとき脳に「ノルアドレナリン」という物質が分泌される。これが分泌されると人は不安を感じ、「何かしら行動しなければ」とソワソワする感覚に陥る。

これは目の前に脅威が現れた時に、その脅威から逃れるために「今すぐ行動しろ」という脳からのサインである。

例えば原始時代、原始人の目の前に熊が現れたとする。原始人はもたもたしていると熊に食べられてしまう。そこで原始人の脳は、「早く逃げるか戦うか行動しろ!」と体に命令を出す。それがノルアドレナリンが分泌されるということだ。

ノルアドレナリンが分泌されることで原始人は不安を感じ、「逃げる」もしくは「戦う」という行動をする。

そして行動をすることによって脳に溜まったノルアドレナリンが消費され、不安が解消される。目の前に熊がいなくなれば、もう行動する必要がないからだ。

つまり、脳のノルアドレナリンを消費すれば不安が解消され、そのためには何かしら体を動かす必要があるのだ。

体を動かすと不安が消費される

先述の原始人の例では、熊が現れ、脳にノルアドレナリンが分泌されたあと、「逃げる」もしくは「戦う」の行動がすぐにできる。そのため脳のノルアドレナリンはすぐに消費され、不安を長く引きずるということがない。

ノルアドレナリンは分泌された後すぐに消費されることが理想的ではあるが、現代社会ではなかなかそういうわけにはいかない。

例えば、入試前に不安を感じるのは、「入試に落ちることの恐怖」から脳がノルアドレナリンを分泌し、「早く行動しろ」と体に命令を出す。

しかし入試は数日や数ヶ月先のものなので、すぐに解消するというのは困難な話である。

会社のプレゼンを控えて不安を感じるのも、「プレゼンをしなければならないプレッシャー」からノルアデレナリンが分泌される。しかし実際に行動できるのは明日や数日先なので、それまで不安が残り続けてしまう。

不安を感じたら考えるな

このように現代社会の不安というのは数日・数ヶ月・数年先に対する不安であり、その時にならないと不安を解消する行動をとることができない。

そのため脳にノルアドレナリンが溜まったままになってしまい、不安が積もり積もってしまう。

行動を取れないので、体ではなく頭を使って解消しようとしてしまう。現実逃避やイメージトレーニングだ。

しかし、先述したとおりノルアドレナリンは体を動かすことによって消費される。あれこれ考えたところでノルアドレナリンは消費されないのだ。

不安を解消するための方法

不安に思っていることをメモに殴り書き

不安に思っていることをメモに書くのは不安を解消する効果的な方法である。

ここで重要なのは“実際に手を動かす”ということだ。

例えば数ヶ月先に入試を控えているのであれば、落ちた時の恐怖や抱えている不安を”手を動かして“書き出し、ノルアドレナリンを消費するのだ。

手を動かしながら、脳内のノルアドレナリンが消費されていることをイメージしてみるとなお効果的だ。

また書く内容は人に見せる必要はない。人に見せられないような内容を殴り書きで書き出してみるのだ。

「勉強なんてしたくない」「周りの奴らに取り残されそうで怖い」「親に浪人の学費を払ってもらうのが申し訳なさすぎて辛い」など書き出してみるのだ。プレゼンを控えているのなら「明日のプレゼン言葉が詰まったら辛い」「なんでこんなことしなくちゃいけないんだ」「会社潰れろ」などでも良い。重要なのは手を動かしてノルアドレナリンを消費することだ。

今できることを書き出してみる

 ひとまず不安を殴り書きし終えたら、今度は今できることを書き出してみるとよい。

数ヶ月後に控えた入試なら、「とりあえず今日は数学の問題を1問解く」などだ。ここで書く内容はなるべく簡単にできることを書くことだ。

これは数ヶ月先にならないと解消できない行動を、現在に持ってきて行動して解消させるイメージだ。

数ヶ月先の「入試に合格する」という行動を、現在の「問題を1問解く」という行動に置き換えて、現在の行動にする。これを繰り返して不安を消費していくのだ。

話す・書く・運動することで不安を解消する

このように不安を感じたら、1人であれこれ考えるのではなく何も考えずに行動してみることが大事だ。

悩みを書き出すだけでなく、不安を人に話すだけでも体を動かすことになるので不安を消費することができる。

本記事の参考にした樺沢 紫苑著「ストレスフリー超大全」ではそんな不安やうつを解消する方法や人間関係に関するノウハウなどを教えてくれる。精神的に辛くなった時に人生の教科書として読んでおきた一冊である。

昨今の世の中では不安やストレスは負のイメージであるが、「不安」がなければ原始人は動けずに熊に食われてしまうように危機を回避するためにとても重要な機能なのだ。

「不安に飲み込まれる」のではなく「不安と向き合う」心の強さを育てていただきたい。


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